金属錆除去剤としての還元剤は酸洗(クエン酸など)青酸化合物、
グルコン酸塩による除錆ではなく、むしろ還元作用でEDTAによる除錆に似て
材質に対しては軟和で錆には下記の様な効果的な働きを行うのが特徴です。
金属錆除去剤の主成分は分子内に−SH基をもっており、還元する作用があり
錆除去として下記の特徴があります。
簡単な浸漬処理を施すだけで金属錆を除去し、しかも素材の金属そのものは
ほとんど浸食しない還元による被膜除去剤です。
またこの還元剤は無機酸(塩酸塩など)のような高い腐食性、硝酸塩や
過マンガン酸塩のような酸化の問題を起こさずに、金属仏具の酸化物
(変色物・さび)を安全に、また容易に除去することが可能です。
(1)銅、真鍮
真鍮や銅仏具の酸化腐食した汚れは油汚れではなく化学変化した汚れなので
アルカリ洗浄ではきれいになりません。
そのような腐食膜汚れは、研磨剤(金属研磨剤、ピカールなど)による
物理的剥離か酸処理で剥離することで従来きれいにしてきました。
しかし研磨は手間がかかり、酸処理は金属を傷める傾向がありますが、
還元剤はその心配を回避できます。
(2)金メッキ
装飾用としての金メッキは金が高価のため、外見上金色に感じることに重視し
メッキ膜厚を極薄くするフラッシュメッキ加工をします。そのため、金メッキ膜
にはピンホールが数多く発生しております。
金のイオン化傾向が小さくピンホールがあると素材(一般に素材は銅板が
採用されています)が腐食(銅は腐食して緑青になります)され、それが金膜の
ピンホールから露出して、外観的には金メッキ面が腐食されたように見えます。
古くなった金メッキ仏具の油煙汚れはアルカリ洗剤による洗浄で除去する
ことができますが、下地の銅がサビて、金メッキ膜に露出して黒くなっている
場合は還元剤できれいにします。
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