山門 本堂
350年程前(寛文時代:1670年)と伝えられているご本尊(阿弥陀立像)を泡洗浄して、キレイに仕上げます。
永年大切に祀られてきたご本尊(阿弥陀立像)を3時間程の短い泡洗浄作業で見事に黄金の輝きに甦りました。
洗浄前(左下) 洗浄中(作業中) 洗浄後(右下)
ご本尊像(阿弥陀立像像)を泡洗浄したところ、ご本尊像の足裏ほぞに康雲(左下)の銘と落款印(右下)があることに見つけました。★康雲とは仏師・渡辺康雲のことです。
寛保元年(1741年),今から300年近く前に、仏師・渡辺康雲が、
広島県(安芸国)のお寺様から、新しい阿弥陀立像を納品した時に、仏像制作の代金(銀四百四拾目)を頂き、領収書を書いております。
当時は銀五十匁が金一両に相当するから、約十両という計算になります。
金一両の価値は江戸時代前期から後半に向かって、次第に下がってきますが江戸時代の日常生活費も安かったことから、仏師・渡辺康雲の阿弥陀立像制作費は約十両として現在の約100万円にあたります。
渡辺康雲仏師は、京都は岡崎に住み、江戸時代に活躍した仏師で、数多くの阿弥陀立像を制作しております。
江戸時代、広い地域にわたり、仏像を制作されていますことから、康雲の名前を看板にして、何代かにわたり襲名され、技術が継承されたと思われます。
100万円程で阿弥陀立像を制作していたという情報は、身近に彼の仕事ぶりが感じられて、江戸時代にタイムスリップしたようです。
泡洗浄前 泡洗浄後 |